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不登校で悩む人を支える的確な名言はあるのか?

不登校中のお子さんに、何か言葉を駆けたい親御さんはたくさんいます。

ですが、心を疲弊した人を支えることができる言葉はあるのでしょうか?

 

「私の心を支える名言なんて無い」

 

不登校中、私はそう思っていました。

当時は親や兄弟といった身近な人の言葉すら受け入れることができなかったのです。

何を言われても、どんなに心配されても、心に響かない。

そんな私が、よく知らない「誰か」が言った言葉など信じることなどできるはずがありませんでした。

 

でもそれは、「無い」と思い込んでいただけなのです。

実は私にも、不登校であった時から今の私を支え続ける「名言」がありました。

 

「言葉」って何?

普段話している「言葉」って当たり前すぎて特別に感じることが少なくありませんか?

特に何も考えることなく、ペラペラと口から吐き出されるものが言葉です。

 

ですが、時にそれは人を傷付ける凶器となり、また心を癒す薬にもなるのです。

つまり、「言葉」には二面性があるのです。

言葉による心の疲弊が原因で、不登校になってしまう人もいます。

 

毒にも薬にもなってしまう可能性を持つのが「言葉」です。

良かれと思って相手に伝えた言葉が、その人を深く傷つけてしまう場合もあるのです。

それは親子間でもあることですから、言葉というものは本当にデリケートですね。

 

心に響く言葉とは?

さて、世には「名言」と呼ばれるものがあります。

著名な人物の遺した言葉などがそれに挙げられますね。

だからと言って、心に響くかと言われれば否定せざるを得ません。

 

「言葉」って無数にあるんです。

特に日本語は言い回しなどが曖昧なものもあったりで、外国の人から見ると習得するのが非常に難しい言語に入るのです。

 

そう考えると「名言」って著名で偉大な人物が遺したものだけであるとは一概には言えません。

本やネットの中で見つけた言葉が、自分にとっての大切な言葉になり得ることもあるのです。

 

名言ってそもそも何?

他人に、「この人の言う言葉とっても良いよ」と言われても、そう思えない時がありますよね。

それは当然のことで、私の感じ方と他の人の感じ方は全く別のものであるからです。

自分の経験や、それに伴う心の動きが同一であることはありえません。

つまり、

 

「お前に私の何が分かる!!」

 

と、いう思いを誰だって少なからず抱いて生きているものです。

特に不登校中のお子さんは心を閉ざしていることが多く、いくら親御さんの言うことであっても素直に聞くことは難しいです。

自分に響く言葉は、自分が探さなければ出会うことなどできないのです。

疲れ果ててしまったお子さんの心を癒す言葉は、本人にしか見つけることができないのです。

それが初めて、自分にとっての「名言」となるのです。

 

不登校中の人に名言は必要か?

これに関しては「必要」です。

冒頭にも書きましたように、事実私は様々な言葉によって救われてきました。

 

今でも残るのは、唐の詩人である于夫陵の「勧酒」を井伏鱒二が和訳したものです。

詩の最後の一節である、

 

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 

これには当時私自身が経験したことも併せて感銘を受けました。

悲しい別れであったけれども、「さよなら」だけが人生だからこそ、決して嘆く必要は無いのだと漠然と思ったのを覚えています。

 

心を打つ言葉は、咀嚼して自分の中でその時の自分に合った形になるものです。

これはある意味、自分で自分の心を解す作業であって、いつか自分を救う結果につながるものです。

誰にでも自分のための名言が存在して、自分のためだけの解釈があります。

ですので、周りが色んなものを勧めたとしても、本人が受け止めきれなければ、どんな良い「言葉」であっても受け止められないのです。

 

心を支える名言

 

私自身が不登校中で絶不調だった時、慕っていた祖父が亡くなりました。

不登校になる人なんて身内でいなかったからか、私や両親よりも祖父母の方が心配過多の状態になってしまっていたんです。

そんな中、死んだ祖父は「生きていればなんとかなる」と私に向けて言ってくれたんだそうです。

これは私自身にではなく、母から伝え聞いた言葉です。

 

当時の私にそのまま伝えていたら、確かに純粋には受け取ることができない言葉です。

でも、翌々考えてみれば確かにその通りなんですよね。

 

生きていればなんとかなる。

生きていなければ、どうにもならない。

生きてさえいれば、躓いても、失敗しても、周りより遅れても、まあなんとかなっちゃう。

 

本当に意外となっちゃうものなんです。

今の私自身がそうですから。

不登校から脱却して、社会生活を送っている今でも、この言葉はことあるごとに思い出しますね。

 

親御さんとしては、心が疲れて不登校になってしまったお子さんにかけてあげたい言葉はたくさんあるでしょう。

ですが、周りが用意しなくても本人自身が日常の中のちょっとした瞬間に見つけることができます。

有名な人が遺した言葉ではなく、流し見ているテレビから拾ったり、誰に言われたわけでもないのに自分の中に降って湧くように生まれる「名言」もあるのです。

 

言葉には二面性があると上記で指摘しましたが、お子さんにとって宝物になる言葉は本人自身が探し出すものです。

親御さんはお子さんの現状が心配でしょうが、どうか焦らないでください。

お子さんは自分自身にとって大事なものを自分で見つける能力を有しています。

本人の心を支える大事な「名言」を自分自身で発見するには、様々なものに触れる機会が必要になってきます。

見守る側は、本人にプレッシャーを与えないように普段通りの生活をして、必要な時に手助けできるようにしておいてあげてくださいね。

 

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