「心のエネルギー」とは文部科学省から出された資料に
記載されている言葉のことで、「元気や意欲の素になるもの」です。
お子様自身、頭で分かっているのになんだかやる気になれない
という時には「心のエネルギー」が減っていることが多いと
言われています。
お子様がだんだん内向き志向になりだしたり、
突然外向きのエネルギーが暴力的になってきた時、
お子様の「心のエネルギー」が不足し、
だんだんエネルギーが切れて通常の生活を行うことが困難になり
動けなくなることがあります。
もしお子様が次の症状を訴えてきたり、
兆候が感じられたら、まず「心のエネルギー」の高低を見てみましょう。
「心のエネルギー」減退期
初期段階
お子様にとって一日のうちで「学校」という場所は
多くの時間を過ごす場所になります。
学校にいたくない、行きたくないその場所へ行くということに対して
ものすごい「パワー」を要するようになると、
自ずとエネルギーが消費されていきます。
朝に起きてこない
今までしていた宿題をしなくなったり、
忘れ物が増えたりする
という兆候が現れます。
これはエネルギー切れの初期段階です。
そういう時の親御様や周りの方が一番気を遣う段階です。
あまり先回りして学校やお子様のお友達に、
お子様の現状をお話して支援を促すことは避けたいところです。
支援はとても大切なことですが、
それがお子様の耳に入ってしまうと
親御様がお子様を信頼していないと捉えられかねません。
とてもデリケートな内容なので、
学校、特に担任の先生とはゆっくり時間をとって、
お子様の家での状況も踏まえお話し、
見守ってもらう方向に持っていってもらいましょう。
そしてお子様のことを全面的に信頼していることを常にアピールし、
学校へ行かないことを決して避難しないことが大切です。
「心のエネルギー」停滞期 準備期間
蓄え準備のとき
次におとずれるのが、
部屋に閉じこもり、昼夜逆転の生活です。
この時期に親御様ができることは「見守る」ことです。
この段階は、お子様が自分自身が元々持っている
「心のエネルギー」を蓄えているときです。
この大切な期間に、外へ意識を向けるように働きかけたり、
急かしたりすることは、絶対いけません。
お子様と一緒にいる時を共有しお互いを理解し合う、
そして親御様にしかできないお子様を安心させ
包み込む心をしっかり持つことです。
以前お伝えしたように、
引きこもりをされているお子様の不登校の原因の一つとして
自分の居場所を確保し認めてほしいという欲求が強く出ています。
自然な形で毎日小さなことでも、お子様がエネルギーを蓄えられるよう
褒めて、認める、ことを忘れず行ってください。
「心のエネルギー」停滞期
蓄えられているとき
部屋から出てくる様子があったり、言葉数が増えたり
お子様の「心のエネルギー」が蓄えられてきた、と感じる時期があります。
この時は親御様も何かと期待を持つかと思いますが
まだまだ焦らないでください。
決してすぐに外の世界に連れ出さないことです
焦らず少しずつ増やしていける環境づくりをしてください
お子様自身が「外に出たい」というサイン、
一人で遊ぶだけではなく
家族の誰かや親しい人との趣味を始めようとしたり
お子様自身の今後の進路の話などをし始めることが大切です。
そのときに自然と
「こういう形でも勉強はできるんだよ」
とお子様にお知らせし、
お子様が自分で調べ始めると、エネルギーが蓄えられて
外界へ意識が向き始めている段階になります。
とにかく見守り、必要なときにサポートをする形を忘れないでください。
「心のエネルギー」復帰期
エネルギーが溜まったら、お子様の「自発」を認める
お子様は
「安心感」
「自分がここにいていい理由」
がほしいのです。
他者との関わりの中で、自分という人間が揺らぎそうな時期に
「認めてほしい」という願望は
親御様が叶えられる、唯一のことです。
親御様が揺らいでしまうと、
お子様の支えは失ってしまうことになります。
そうならないために、
「心のエネルギー」の減退期、停滞期、そして復帰期
を見守ることを一番と考えましょう。