学校に1人くらいは不登校の子供がいる。
それを多いと見るか少ないと見るかは人それそれですが、それくらいには不登校の子供はいます。私も不登校の子供を何人か見てきましたが、理由は皆それぞれでした。学校に行かれない理由は子どもの数だけあるということです。
不登校の子ども達は毎日どこにいるのでしょう。家、図書館、街の中、サポートスクール、そこは彼らの本当に求めている場所なのか、これはとてもむずかしい問題です。
不登校の子どもたちの居場所についてちょっと考えたいと思います。
家に居ることが多いのなら
最初は家に閉じこもってしまうでしょう
子供にとって外に出ることは学校に行くことに繋がります。また、外に不用意に出てしまえばクラスの子や近所の人に会ってしまい心無い言葉を浴びせられるかもしれないと恐怖に思ってしまうことも考えられます。学校に行けていない負い目から外に出ることを拒むこともあると思います。
親としては無理にでも外に連れ出した方がいいのか、見守ったほうがいいのか、どうしたらいいのか解らなくなります。
でも最初にすることは一つなんです
お子さんが学校に行けずに家の中にいることを、そのまま認めて受け入れてあげることです
家がお子さんにとって安全な場所であること、親が味方であること、家が安全地帯であることを実感させてあげてください。
そうは言ってもついつい口がでてしまいそうになるかもしれませんが、そこはグッと我慢です。辛い思いをしているのは子どもですから。
不登校になった子は特にデリケートな状態です。不穏な空気は見抜きます。なのでどうか家族は普段どおりに過ごして、お子さんに安心感を与えてください。
家から出られるのなら
フリースクールやフリースペースの体験や見学に行くのも良いです。
ここでは学校に行っていないお子さんがほとんどで、子供同士の交流が盛んであったり、復学を目的に学習しているところ、更に個別に対応してくれるところなど、運営内容は様々です。
「学校には行きたくないが勉強したい」「クラスの子がいないところで友達を作りたい」「同世代の子とは関わりたくない」など子どもの希望は様々です、フリースクールは不登校の子の居場所になる場所ですが、全ての子どもにとってそこが居場所になるわけではありません。
親が先走ってフリースクールに入れるのは良くありません。
よく吟味して、本当にお子さんの居場所になる場所なのかを見極める必要があります。
私の妹は高校中退後はフリースクール等には一切通いませんでした。高校卒業認定に必要な単位がそんなに多くなかったこともあり、自分でどうにかしていました。妹はほぼ部屋にこもりっきりでした。ただ、妹には自分のパソコンがあり、ネットを通じて顔の知らない誰かと繋がっていることが出来ました。それが妹には合っていたようで、その後は単位を取得し、1年自分で学費を貯めるとバイトをして専門学校に行き、今は普通に働いています。
妹の居場所は自分の部屋とパソコンの中でした。これはもちろん妹が高校生という年齢的に上だったからこそ出来た手段で、小学生や中学生では事情が違うかもしれません。「不登校だったので親にパソコンを与えられプログラムを学んだ」「ネットを通して本音で話しあえる友だちができた」と言う話しは聞きます。
お子さんが興味を持ちそうであれば、可能性はいくらでも与えてあげてください。
パソコンは精神的にも時間管理的にもスマホより断然良いです。
人の多いところに行けるのなら
お子さんが自分のことを理解できていて、人の多いところに行けるようなら、図書館がいいです。
毎年夏休み明けには「学校に行けなければ図書館においで」とTwitterに#が付いたりしますが、まさにその通りで、静かに人の事を気にせず本を読んだり勉強できたりする環境は決してマイナスにはなりません。それに図書館通いがずっと続く訳ではありません。
好きなだけ図書館に行かせてあげて下さい。
塾に行きたいけれど学校の子に会いたくないのなら
勉強が好きなお子さんは、塾などでもっと勉強したいですよね
でも学校の子には会いたくないはずです、そうなると個別塾がいいでしょう。塾代は高くなりますが勉強に集中できる環境を作ってあげましょう
そして塾に行く前に体験や説明会に行って不登校に理解がある塾を選んでください。塾の講師は専門家だけではありません、時給がいいからとの理由で大学生のバイトの場合もあります。
無いとは思いますが、万が一にも不登校に理解の無い講師に当たってしまった場合、お子さんは再び傷ついてしまうことにもなりかねません。
そんな辛い思いをさせたくないので、しっかりとで塾の見定めをしてください。
最後に
お子さんにとって居心地の良い場所が見つかっても、最後には必ず家に帰ってきます。
家が一番居心地の良い場所になるように、お子さんの全てを受け入れて
あらゆるチャンスと可能性を考えてあげること、と同時にそれを強制しなしこと。に徹底してください。辛い心になってしまった人に「辛いよね」って理解を示し話しを聞いてあげると、辛い心が少し楽になります。そして親の笑顔を見せてあげてください。
辛い時に笑顔で受け入れてもらう安心感はお子さんの生きる道筋を照らします。
お子さんも一生懸命考えています、学校に行かないってことを選択できたことはとても立派な行為なんです。
少し時間がかかるかもしれませんがお子さんの本当の声が聞けたら、焦らず急がずに話しをして将来のことを話し合ってください。
今は中・高・大学の全てにおいてインターネット上の学校も増えてきています。
居場所の多様性が不登校のお子さんの生きる道を探す手助けになります。学校に行って卒業して就職するだけが生きる道では無くなってきていることも、未来が広がるでしょう。
そんな話しも場所探しのヒントとして話してあげてください。